高齢化社会を迎えるにあたり高齢者介護労働者への需要がかつてないほど高まっています。しかし常に慢性的な労働者不足であるため介護労働者が過酷な労働を強いられ、それにより健康面に不安を抱えた日々を過ごしています。
中でも肉体労働故、腰痛、膝痛、坐骨神経痛などが多く、多くの方々が慢性的な疾患を抱えたまま仕事を続けざるを得ない状況に置かれています。
そこで、千葉市では数年前から社会福祉施設事業者向けの冊子「介護・看護作業による腰痛を予防しましょう」を作成し腰痛・膝痛・坐骨神経痛等の、職業性疾病発生を緩和するべく、取り組みを行っています。
主に三つのポイントについて説明します。
まず一つ目が、作業管理。
ここでは作業内容についての事細かな対策について記しています。
作業に伴う体への負担を極力減らせるよう、作業標準の取り決めや適切な作業姿勢を採ることなどの必要性を記しています。
二つ目として、作業環境管理。
ここでは作業行う上で最適な環境の構築を目指すことを指摘しています。
最後に健康管理。
常日頃から体調をチェックし疾病を早期に発見することの重要性を説明しています。
その他、整体院を利用する場合のポイント、さらに腰痛・坐骨神経痛・膝痛を防止するための様々な取り組みを記しています。
中でも休日スポーツや陸上競技など、適度に体を動かすことの必要性を説明しています。
職場における腰痛予防対策として、必要に応じ腰痛ベルトをしようすることが挙げられます。
腰痛ベルトはなぜ腰痛予防になるのでしょうか。
それは腰痛ベルトが、腹圧を上げるためです。
腰の一部に掛かる力は腰痛ベルトをつたい、お腹の方に回っていきます。そして屈む姿勢の時には、お腹が前に出るため、その力は腹圧に支えられるのです。
腰にかかる力の一部が、お腹を締め付ける力に変わり、それによって腰にかかる力は弱められます。
しかし、腰痛ベルトにもデメリットがあります。
それは、腰周りの筋力が低下してしまうこと、また安静が必要な状態にも関わらず、動きすぎてしまい回復が遅れてしまうことです。
腰痛予防には、腰や背中の筋力を強化する事も必要です。腰痛ベルトを使用の際は、注意しましょう。
腰痛・坐骨神経痛・膝痛は、一度患うと完治が非常に難しく、生涯にわたりそれら疾病と付き合いながらの生活を強いられることもよくあります。
腰痛については、ぎっくり腰、筋膜炎等比較的軽症から、ヘルニア等場合によっては外科的処置を要する重い症状を伴う場合もあります。
坐骨神経痛は、坐骨神経の圧迫が原因で生じるとされ、脚の広い範囲に痛みが広がる場合があります。
膝痛は、半月板損傷または靱帯損傷などを含み、完治にはやはり外科的処置が必要な場合が多くあります。
上記の介護労働者個々に対する取り組みのほか、介護労働者そのものを増やすための取り組みも重要と考え、根本的な解決に向けて継続的に介護労働者市場への働き掛けを続けています。
また、整体院等を利用し治療を行う際の補助、サポートの充実を図るための取り組みについても重要と考えています。
介護労働に伴う疾病対策は端緒についたばかりで今後ますます重要性を増す介護労働者の人材育成及び充実を図るためにも、継続的な政策を今後も必要としています。