皆様は、【発酵食品】と聞いて何が思い浮かぶでしょうか。
味噌、納豆、キムチ、漬物、ふな鮨、豆腐よう、くさや、といったお馴染みのものから、日本酒、焼酎、ワイン、ビール、などのお酒や紅茶やウーロン茶なんかも発酵食品の部類に入ります。
「発酵食品は身体によい」というのは、もはや常識になっておりますが、【発酵】とは一体どういうことなのでしょうか?まずは簡単に定義していみたいと思います。
⇒発酵とは、たくさんの微生物(酵母や酵素、さまざまな菌類)たちの
働きによって食物の中の糖質やたんぱく質、でんぷんなどが分解され、
新たに体にとって良い成分が作り出される事です。
つまり、発酵という過程があると、一つの食べ物が全く別のものなるといって良いほど、栄養価が高まるので、「発酵」は魔法のようなプロセスなのです。
ここでは、日本人にとって馴染みの深い『ぬか漬け』を例にとって見てみましょう。子どものころ、よく祖母や母がぬか床をこねていた風景を思い出します。まさにお袋の味。ご家庭ごとの味があると思います。
そんなぬか漬けですが、生野菜をそのまま食べるよりはるかに栄養価が高いです。
野菜をぬか漬けにすると【ビタミンB1】の含有量が増えます。これは、ぬか床に使う米ぬかが【ビタミンB群】の宝庫だからです。ビタミンB群は、水に解けやすいので、ぬかのビタミンが水に溶け、漬け込まれた野菜にも浸透するという仕組みなのです。
たとえば、夏の旬野菜「きゅうり」は90%以上が水分でほとんど栄養がなく、その低さたるや『世界一栄養がない野菜』として、ギネスブックに登録されるほどなのですがが、ぬか漬けにすると驚くほど栄養価が高まります。
暑い夏はビールが特に美味しいですが、ビタミンB群が豊富なぬか漬けはおつまみに最適です。ビールの糖質を分解し、エネルギーに変化させてくれるのがビタミンB1だからですね。一般に食欲の落ちる夏場は、冷たくさっぱりとした素麺などが食事の定番ですが、素麺の食べすぎは糖質過多となり、血糖値を上昇させてしまいます。そんな時、すばやくエネルギーに変えてくれる「ぬか漬け」は、やはりおかずに最適なのです。
ぬか漬けでもう一つ忘れてはならないのが、発酵過程で生まれる「植物性の乳酸菌」ですね。生きたまま腸に届く力が強い乳酸菌として、有名です。乳酸菌は腸をキレイにし、腸がキレイになれば、免疫力が高まり、夏バテに負けない身体を助けることになります。