「大正ロマン」、大正時代の雰囲気を現す言葉です。
一般的には「ロマン」とカタカナで表示されますが、
「浪漫」と漢字で書く場合もあります。
「浪漫」とは当て字で、夏目漱石が付けたとされてます。
新しい時代への理想に満ちた風潮を感じさせる言葉です。
大正時代は15年ととても短い時代でした。
短いながらも国内外とも激動の時代でした。
日本では日清戦争・日露戦争があり、そして帝国主義として欧米とも肩を並べ、
そして第一次世界大戦に参戦し勝利側につき、日本国内が活気に沸いた時代でもあります。
大正時代は、工業化も進み、鉄道、汽船による水運が発達し、流通や商業が飛躍的に発展しました。
道路網の拡大や自動車・乗合バスなどの都市の交通手段の発展により都市化が進みました。
録音や活動写真といった人々の楽しみ、電報・電話の技術の発達、
新しい印刷技法より大衆向けに新聞・書籍・雑誌が普及しました。
こういった新しいメディアにより、文化や情報が拡大的に飛躍した時代でもありました。
また「成金」といった個人も出現し、立身出世の野望が実業の方面に向かって開かれて行きました。
中流層には「大正デモクラシー」が台頭し、一般人と女性の地位向上に目が向けられました。
西洋文化の影響を受けたこの大正時代、新しい文芸・絵画・音楽・演劇など芸術が流行し、
思想的にも自由と開放・躍動が活発化し、都市を中心とする大衆文化が花開いた時代でした。
「大正ロマン」と聞いて、思いつく文化人の方達がいます。
たくさん活躍された人物の中で、「竹久夢二」を一番に挙げる方は多いのではないでしょうか。
次回は「竹久夢二」について書きたいと思います。